医療法人社団 晃友会 晃友相模原病院

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2026年2月18日

当院理学療法士が神奈川県理学療法学会で研究発表を行いました

当院リハビリテーション科の理学療法士が、第42回 神奈川県理学療法学会にて研究発表を行いました。

演題は「聴神経鞘腫摘出術後における離床開始時期が身体機能に及ぼす影響」です。

本研究は、聴神経鞘腫摘出術後における離床開始日と退院時の身体機能との関連を明らかにすることを目的とし、過去に当院で聴神経鞘腫摘出術を受け入院された患者さまのデータを対象に解析を行いました。

■ 聴神経鞘腫とは?

聴神経鞘腫は、耳の神経(前庭神経)にできる腫瘍です。
めまい、ふらつき、歩きにくさなど、バランス機能の低下が起こりやすいことが知られています。

本来、人の体は視覚・体性感覚を使ってバランスを取り戻す「代償」が起こります。

しかし、術後の離床(起き上がり・歩き始め)が遅れると、回復が遅れる可能性があります。そこで今回の研究では、

「いつ離床を開始するか」で退院時の身体機能は変わるのか?
を検証しました。

■ 研究方法

2024年12月〜2025年7月の期間、当院で聴神経鞘腫摘出術を受けた患者さん30名を対象に調査しました。

調べた内容:

  • 離床開始日(いつ起き上がり始めたか)
  • 入院期間
  • 退院時の身体機能(SPPBという評価)

SPPBは、「立つ・歩く・バランス」などを総合的に評価する指標です。

■ 研究結果

① 離床開始時期と身体機能

離床開始日と退院時SPPBには強い関連(負の相関)が認められました。

つまり、離床開始が遅い患者さんほど、退院時の体力や歩行能力が低い傾向がみられました。

② 入院期間と身体機能

すなわち、入院期間が長い患者さんほど、退院時の身体機能が低い傾向が認められました。

■ この研究から分かったこと

聴神経鞘腫摘出術後の患者さんでは、離床開始時期と入院期間が、退院時の身体機能と関連していることが分かりました。

具体的には、

・離床開始が遅い患者さんほど、退院時の身体機能が低い傾向
・入院期間が長い患者さんほど、退院時の身体機能が低い傾向

が認められました。

これらの結果から、術後早期からのリハビリテーション介入が、身体機能の維持・改善に重要である可能性が示唆されました。

特に、術後の早期離床の促進と前庭リハビリテーション(めまい・バランスのリハビリ)は、平衡機能を含めた身体機能の回復に重要であると考えられます。

■ 最後に

当院では今後も、研究と臨床を結びつけながら、患者さまのより良い回復を支えるリハビリテーションを提供してまいります。