当院では、循環器内科専門医による外来を行っております。診療時間につきましては、外来予定表を御覧ください。
下記のような症状のある方は、一度循環器内科外来を受診されることをお勧めいたします。
- 診療内容 循環器内科の疾患について
- 当院は脳神経外科とともに脳と心臓に関する専門的医療を地元である 相模原市(地域)に提供します。
患者様と向き合い、生き方や考えを尊重して、最良の治療を提供できるように日々努力しています。
毎週水曜日、土曜日(第2土曜日は手術日であることが多いのでホームページで確認をお願いいたします。)に循環器外来をおこなっております。
気になる症状がありましたら気軽に受診して下さい。 - 生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病など)
- 食事や運動・喫煙・飲酒・ストレスなどの生活習慣が深く関与し、発症の原因となる疾患の総称です。
日本人の三大死因であるがん・脳血管疾患・心疾患の発症にはいずれも生活習慣病が深く関係しているため、これらの生活習慣病のコントロールが非常に重要です。しかし、生活習慣病は非常に治療が難しいとされています。なぜなら習慣病だからです。当院では何が患者さんの生活習慣の問題かを解決することによって患者さんの健康寿命の延長を目指しております。 - 不整脈
- 心臓は一日に約10-15万回規則正しく脈を打ちます。それ以外の不規則な脈はすべて不整脈といいます。また、不整脈は頻脈性不整脈(脈が速い不整脈)と徐脈性不整脈(脈が遅い不整脈)があります。ざっくりいうと、頻脈性不整脈は動悸、徐脈性不整脈はめまいや失神があります。これらの他にも健診で心電図の異常を指摘された、脈が飛ぶなどの症状がある場合など、何でもご相談ください。
- 不整脈で代表的な心房細動について
- 心房細動に関しては、診断を受けられた方も多いと思いますが、治療に迷う方も多いと思います。
まずは、心房細動は不整脈の中では最も多い不整脈です。一方で、脳梗塞、心不全の原因にもなり、最近は認知症とも関連があるとされています。
日本では心房細動がとても問題となる不整脈とされており、診断・治療とともに進歩のめざましい分野でもあります。
では、なぜ心房細動が問題になるのでしょうか?日本は世界一の長寿国を誇っていますが、同時に健康寿命と平均寿命の差が大きいことが問題となっています(図1)。つまり寝たきりが多いということです。脳梗塞は寝たきりの最も多い原因です。脳梗塞の20~30%が心房細動が原因と推定されているため心房細動を早期発見し治療をおこないという取り組みが国の方針として行われています。では、どうような心房細動の患者さんが脳梗塞になりやすいのでしょうか?これは世界中で使用されているガイドラインで血栓症を起こしやすい人のリスクの評価があります(図2、3)。心房細動の患者さんの中で合併症の数で点数が決まります。心不全、高血圧、75歳以上、糖尿病は各々1点ですが、すでに心房細動により脳梗塞を起こしてことがある患者さんは2点になり、最も塞栓症(大半は脳梗塞)のリスクが高いとされています。このような患者さんは基本的には終生抗凝固薬を飲むことが望ましいです。薬の自己中断で残念ながら再梗塞を起こされる患者様も時々経験します。このようなことがないように薬のことでご不明な点がありましたら相談してください。さらに脳梗塞の3分の1は心臓からできた血栓(主には心房細動による)による脳梗塞と言われています。脳梗塞予防には血栓のリスク評価を行い、リスクのある患者さんは血栓予防のお薬(抗凝固薬)を内服することが最も重要です。また、心房細動は生活習慣も関与しているため生活習慣の是正も重要となります。心房細動と関係があるとされている因子は年齢、高血圧、糖尿病、アルコール、肥満、喫煙、睡眠時無呼吸症候群があげられます。図4は心房細動の主な問題点です。
次いで、心房細動自体を直す治療(除細動治療)を行うかどうかを決めます。これには薬によるものとカテーテルによるものがあります。当院は不整脈専門医により、患者様に適した治療を患者さんと決めていきます。当院では心房細動に対してカテーテルアブレーションでの治療も行なっており、患者様に最も適した治療を目指しております。
アブレーションに関しては患者様の不安や苦痛の軽減のために全身静脈麻酔を行っております。また、術後の安静に関しましても止血デバイスを使用することにより術後は3時間の安静で歩行可能となりました。 (図1) (図2) (図3) (図4) - 心不全
- 心不全とは全身のポンプの役割を果たしている心臓の働きが弱くなった状態をいいます。私たちの全身の血液は常に循環しております。全身から使われた血液は静脈血といい心臓に戻ります。つぎに血液は肺に送られ、酸素をもらって動脈血となり心臓に戻り全身に送られます。よって心不全になると全身の血液(体液)の循環がうまくいかなくなり症状をおこします(図5)。ポンプ機能の低下による症状としては動悸、息切れ、低血圧、手足が冷たい、尿が出ない。肺や全身の血液のうっ滞による症状としては体重増加、むくみ、痰(ピンク色の痰)、息苦しさ、消化器症状(食欲不振、お腹がはる)などがあります。なお、心不全は状態であり原因は別にあります。原因は心筋梗塞により心機能が低下したもの、高血圧により心肥大によるもの、心房細動によるもの、弁膜症によるもの、原因不明(臨床の場では比較的多くみられ心筋症と呼ばれます。)のものなどがあります。心不全は進行性の病気ですが、ここ数年で心不全治療は内服治療も外科的治療も飛躍的に進化しており、選択肢も増えてきました。患者様に寄り添い何が最適の治療かを決めます。 (図5)
- 心臓リハビリテーション
- 当院では、心臓リハビリテーションを導入しています。心不全、心筋梗塞、狭心症、あるいは心臓手術後の患者さんは、心臓の機能や運動能力が低下しています。そのため、退院後すぐには思い通りに活動できず、不安を感じることがあります。
心臓リハビリテーションは、患者さんが体力を回復し、日常生活の活動を無理なく行える自信を取り戻すことで、再発や再入院のリスクを減らすことを目指します。このプログラムには、医師、理学療法士、看護師、薬剤師、管理栄養士などの専門職種がチームとして関わり、患者さん一人ひとりに合わせた総合的なリハビリプログラムを提供します。
開始にあたり、運動耐容能の検査を行います。一人ひとりの体力に応じた適正な運動強度を見極めるために、運動負荷試験を実施します。専用機器であるCPX(心肺運動負荷試験装置)を使用し、心電図モニタリングを行いながら呼気ガスモニターで酸素摂取量と二酸化炭素排出量を測定します。これにより、患者さんの心臓、肺、筋肉の健康状態を総合的に評価し、その結果に基づいて最適な運動処方を作成します。その後は通院による運動療法を続けていただきます。
身体活動を継続するには、筋肉に持続的に酸素を供給することが不可欠です。このプロセスは、肺が呼吸によって酸素を取り込み、酸素を含んだ血液が心臓を通じて全身の骨格筋へと送り届けられることで始まります。筋肉では、酸素を用いてエネルギーを生成し、同時に生じた二酸化炭素は心臓と肺を経由して体外に排出されます。
長時間の運動を維持するためには、この酸素供給と二酸化炭素排出のプロセスが円滑に機能する必要があります。つまり、肺、心臓、筋肉の3つのシステムが適切に機能し、相互に連携することが重要です。これらの連携は「ワッサーマンの歯車」と呼ばれており、運動耐容能の向上に不可欠な要素です。 - 心筋梗塞 狭心症
- 心臓を栄養している血管(冠動脈と言います)に動脈硬化やプラークが血管内につき、栄養を受けている心筋に血流が足りなくなります(図6)。私たちは動くと心拍数をあげて酸素を全身に送ろうとします。すると心臓の筋肉(心筋)の酸素の需要量が高まります。冠動脈に狭窄がなければ問題なく心筋に酸素が供給できますが、狭窄(通常は75%狭窄以上)があると、心筋に十分な酸素が送れず狭心症よばれる症状がでます。典型的には動くと息切れや胸痛が起こります。進行すると心筋梗塞に移行し、重症になると命に関わります。そのような症状はありましたらご相談ください。当院では冠動脈CTを即日撮影することができます (図6) (図7)
- 心臓弁膜症
- 心臓は全身に血液を送るポンプの機能を果たしています。全身に血液を送るには逆流しないように弁が存在します(図8)。加齢などにより弁の構造に変化が生じ弁に逆流や狭窄が生じることがあり、これを総称して弁膜症といいます。聴診で心臓の雑音を指摘されることも多いですが、重症になると心不全の原因となります。弁膜症の重症度は心臓超音波検査(心臓エコー検査)をしないとわかりません。当院では超音波検査を医師が当日に行い、結果を説明いたします。 (図8)
- 睡眠時無呼吸症候群
- 閉塞性睡眠時睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が止まる、または浅く・弱くなることにより日常生活に様々な障害を引き起こします。
よく知られているものには日中に異常な眠気を来たし、交通事故を起こしてしまうことが有名ですが、他にも全身がだるい、疲れやすい、夜間頻尿、朝血圧が高いなどの症状があります。また、心・血管系のリスクや認知症など重大な疾患との関与が報告されています。一人で寝ている方も多く、隠れ睡眠時無呼吸症候群の患者様は多いと言われています。当院では診断や治療も行っておりますのでご相談ください。
■当院で出来る循環器系の検査 経胸壁心エコー、 心電図、ホルター心電図、マスター心電図 ABI